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EC初心者必見!インターネット通販の基礎知識と成功のポイント

本記事では、EC(インターネット通販)の基礎について、市場動向から重要指標、実店舗との違いまで、EC担当者が押さえておくべきポイントを解説します。

 1. EC市場の現状と動向

まず、現在のEC市場がどうなっているかを見ていきましょう。近年の調査報告によると、BtoC(企業から消費者へ)およびBtoB(企業間)のEC市場規模は年々拡大しています。

    • BtoC市場: 物販系だけでなく、サービス系(旅行、飲食、チケットなど)、デジタル分野(電子書籍、音楽配信など)も含まれ、全体として大きく成長しています。特に物販系のEC化率は年々上昇しており、多くの商品がインターネットで購入されるようになっています。

    • スマートフォン経由の取引増加: スマートフォン経由での購入がPC経由を上回り、多くの世帯がスマートフォンを利用していることから、スマホ最適化は必須です。

    • BtoB市場: BtoB市場も堅調に成長しており、EC化率はBtoCよりも高い傾向にあります。

ECサイトの種類:モール型と自社EC

ECサイトには大きく分けて2つのタイプがあります。

  • モール型: Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、ZOZOTOWNなど、複数の店舗が出店しているプラットフォーム。集客力がある反面、価格競争になりやすい。

  • 自社EC型: アスクル、モノタロウ、Amazonビジネス、ヨドバシなど、企業が独自に運営するサイト。ブランディングや顧客データの活用がしやすい。

アスクルはBtoBとBtoC、両方のサイトを運営しています。

2. なぜ顧客はECで買い物をするのか?

顧客が実店舗ではなくECを選ぶ理由は何でしょうか? 主な理由は以下の通りです。

  • 店舗に行かなくても買い物ができる (68.1%)

  • 24時間いつでも買い物ができる (62.8%)

  • 店舗よりも品揃えが豊富 (54.6%)

  • 店舗に行く時間や手間を節約できる (40.3%)

  • 検索機能によって買いたいものを探す時間を節約できる (36.5%)

  • ポイントが付くなどメリットがある (33.9%)

  • 自宅に持ち帰るのが大変な重いものが手軽に買える (21.9%)

(出典:総務省「令和3年通信利用動向調査(世帯編)」)

これらの理由から、利便性品揃え価格メリットなどがECの強みであることがわかります。


3. 顧客はどうやってECで商品を探すのか?

ECサイトで商品を探す際、顧客は主に以下の方法を利用しています。

  • 検索エンジン経由 (キーワード検索): GoogleやYahoo!などで商品名や関連キーワードを入力して探す方法が最も多い (67.1%)。ECサイト側は、検索エンジンに自社の商品ページを見つけてもらいやすくするための対策(SEO)が重要になります。

  • ECサイト内検索: Amazon、楽天市場、アスクル、モノタロウなどのECサイト内で直接キーワードを入力して探す。

  • カテゴリ検索: 商品カテゴリをたどって探す。

  • お気に入り・購入履歴: 以前購入したものや、お気に入り登録した商品から探す。

  • 広告・SNS: バナー広告やSNSの投稿などから探す。

4. ECでよく使われる重要指標

ECサイトの成果を測るためには、いくつかの重要な指標を理解しておく必要があります。

  • 訪問数 (セッション数): 特定期間内にサイトを訪れた延べ人数。

  • 閲覧数 (PV: ページビュー): 特定期間内に閲覧されたページの合計数。

    • 例:A商品ページを1回見た(訪問数1, PV1)、A商品ページを2回見た(訪問数1, PV2)、A商品ページの評価を見た(訪問数1, PV1) → 合計 訪問数3, PV4

  • CVR (コンバージョンレート): 訪問者が商品購入などの成果に至った割合。

    • 計算式: 購入数 ÷ 訪問数

    • 例:商品A 購入数100 ÷ 訪問数10,000 = CVR 1.0%

    • CVRを改善すれば、訪問数が同じでも販売数は増加します。

  • CTR (クリックスルーレート): 表示されたバナー広告や検索結果などがクリックされた割合。

    • 計算式: クリック数 ÷ 表示回数 (インプレッション数)

    • 例:商品A クリック数3,000 ÷ 表示回数100,000 = CTR 3.0%

    • CTRを改善すれば、表示回数が同じでも訪問数は増加します。

  • CVRとCTRの関係: CVRは「商品ページに来て買ってくれた割合」、CTRは「何かを見て次のページに進んだ割合」を示します。これらの指標を分析することで、どの段階で顧客が離脱しているかなどの課題が見つけやすくなります。

5. 実店舗との違いから見えるECの課題と対策

ECには実店舗にはないメリットがある一方、特有の課題も存在します。

ECのデメリット・顧客の不安

  • 実物が見れない: 商品を直接触ったり試したりできない不安。

  • 店員に質問・相談できない: 商品選びのアドバイスが受けられない。

  • セキュリティへの不安: 個人情報やクレジットカード情報の漏洩リスク。

  • 送料がかかる: 実店舗より割高になる場合がある。

  • すぐに手に入らない: 配送を待つ必要がある。

優先すべき課題と対策

これらのデメリットを解消し、顧客に安心して購入してもらうために、ECサイト運営者は以下の点に注力する必要があります。

  1. 商品情報の充実 (魅力・安心感を伝える)

    • 商品の魅力: 商品画像(複数枚、様々な角度から)、商品説明文(仕様、特徴、利点)、動画(使用イメージ、使い方)などを充実させ、商品の魅力を具体的に伝える。

    • 安心感: サイズ情報、素材、レビュー、Q&A、保証、返品ポリシーなどを明確に示し、顧客の不安を取り除く。

  2. 検索キーワードの充足 (見つけてもらいやすくする)

    • 顧客がどのようなキーワードで検索するかを想定し、商品名、品番、カテゴリ名だけでなく、関連キーワード(用途、機能、素材、色、サイズ、ブランド名、略称、誤字など)を網羅的に商品情報に含める。

    • これにより、検索エンジンやサイト内検索で商品が見つかりやすくなり、販売機会の損失を防ぐ。

  3. データに基づいた効果測定と改善

    • 訪問数、PV、CVR、CTRなどの指標を定期的に計測・分析し、どの施策が効果的だったか、どこに課題があるかを把握する。

    • データに基づいて商品情報やサイト構成、プロモーションなどを継続的に改善していくことが重要。

6. まとめ

ECサイトで売上を伸ばすためには、実店舗との違いを理解し、顧客の不安を取り除くための「商品情報の充実」と、商品を見つけてもらいやすくするための「検索キーワードの充足」が非常に重要です。

これらはEC担当者だけが頑張ればよいというものではなく、商品企画、マーケティング、営業など、企業全体としてECで売るための取り組みを始めることが成功への鍵となります。

本記事で解説したECの基礎を理解し、自社のECサイト運営に活かしていきましょう。

商品情報管理にお困りの方はお気軽にご相談ください