従来の商品情報管理システムを用いて工業製品のスペック、画像を管理する際の難しさについて詳しく解説しています。
インターネット通販(EC)の基礎知識:市場規模とビジネスモデル
近年、インターネット通販(EC)の市場は急速に拡大しています。ECの基礎知識、特に市場規模の動向や主要なビジネスモデルについて解説します。
拡大するEC市場:BtoCとBtoBの動向
日本のEC市場は、企業と消費者の間で行われる取引(BtoC-EC)と、企業間の取引(BtoB-EC)に大別できます。
経済産業省の調査によると、2023年の日本のBtoC-EC市場規模は24.8兆円に達し、前年比9.23%増と堅調に拡大しています。一方、BtoB-EC市場の規模は465.2兆円と、BtoC市場を大きく上回っており、前年比10.7%増と高い伸び率を見せています。
EC化率とは、電話やFAX、対面取引などを含む全ての商取引額に対するEC市場規模の割合と定義されます。特にBtoB-EC市場は、規模と成長率の両方において他の市場を上回っており、今後のさらなる拡大が期待されています。
ECサイトの代表的なビジネスモデル
ECサイトには、取引の主体によって主に5つのビジネスモデルが存在します。
- CtoC-ECサイト: メルカリやヤフオク!のように、消費者同士が商品やサービスを売買するプラットフォームです。
- BtoC-ECサイト: ZOZOTOWNやユニクロのように、企業が消費者に直接商品を販売するサイトです。
- BtoB-ECサイト: モノタロウやアスクルのように、企業間で商品を売買するサイトです。
- DtoC-ECサイト: エレコムやコールマンのように、メーカーが仲介業者を通さず、直接消費者に商品を販売するサイトです。
- BtoE-ECサイト: 社内販売や職域販売を行うECサイトです。
BtoB-ECサイトの分類と特徴
BtoB-ECサイトは、その公開範囲によって「オープン型」「セミクローズド型」「クローズド型」の3種類に分類できます。
- オープン型: 一般に広く公開され、多数の企業が出品するタイプです。幅広い顧客にリーチできる反面、価格競争に陥りやすく、手数料が発生するデメリットがあります。
- セミクローズド型: 特定の会員や顧客グループに限定して公開されるタイプです。ロイヤリティの高い顧客層を育成できる一方、新規顧客の獲得が限定的になります。
- クローズド型: 特定の企業や団体、従業員など、非常に限られたユーザーのみが利用できるタイプです。外部の競合を考慮する必要がない反面、利用者数が限定的なため、売上規模が大きくなりにくいというデメリットがあります。