総務省の「令和7年版...
総務省「令和7年度 情報通信白書:AIの動向」解説
総務省の「令和7年版 情報通信白書」に収録されている「AIの動向」の章は、世界のAI市場規模の現状と予測、特に注目を集める生成AI市場の動向、そしてAI研究開発・投資における主要各国と日本の位置づけをまとめたものです。このレポートは、AIが世界の経済を牽引する重要な分野であることを明確に示しています。
1. 爆発的に拡大する世界のAI市場
AI市場は世界的に急速な拡大が見込まれています。
- 世界のAI市場規模(売上高)は、2024年に1,840億ドル、2030年には8,267億ドルまで拡大すると予測されています。
- 日本のAIシステム市場規模(支出額)も、2024年に1兆3,412億円(前年比56.5%増)となり、2029年には4兆1,873億円まで成長すると予測されています。
市場を牽引する生成AI
特に、文章、画像、音声、動画などをAIが生成する生成AI(Generative AI)が市場拡大を強く後押ししています。
- 生成AI市場規模は、2024年に361億ドル(AI市場全体の19.6%)となり、2030年には3,561億ドル(同43.1%)まで拡大すると予測されています。
- 背景には、ChatGPT公開以降、Gemini、Copilot、DeepSeekなど数多くのモデルやサービスが登場し、急速に普及が進んでいることがあります。
- 活用目的は、これまでの人手不足対策や業務効率化に加えて、今後は新たなサービス創出を目指した活用が進むと見られています。
2. AIを巡る国際競争:日本は研究・投資で遅れ
AIに関する研究・投資は世界各地で活発に行われており、その競争において日本は厳しい位置にあります。
- 研究力(論文数): 論文数などを基にしたAIRankingsでは、AI研究をリードする国は米国、中国、英国、ドイツの順となっており、日本は近年11~12位で推移しています。
- 投資: 2024年に新たに資金調達を受けたAI企業数では、米国が1,073社で1位、英国が167社で2位であるのに対し、日本は42社で9位にとどまっています。
このデータは、AI分野における日本の研究開発力や、スタートアップ企業への投資・事業創出が、主要国に比べて遅れている現状を示しています。
3. AI市場の今後の展望
AI市場の将来予測において、生成AI技術を活用したAIエージェント(人の介入なしに特定のタスクを自律的に実行するAIシステム)やフィジカルインテリジェンス(AIと機械/ロボット等が高度に融合するシステム)分野の発展が市場拡大をさらに後押しすると見られています。
AIは、市場規模、研究、投資、そして応用技術の全てにおいて、今後の世界の経済成長を左右する基盤的なテクノロジーとしての地位を確立しつつあります。
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