ECにおける販売店とモールの違い
Yosuke Iseki 25/10/24 10:44
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EC(電子商取引)における販売店とモールは、そのビジネスモデルや運営方法が大きく異なります。この違いを理解することは、EC事業を展開する上で非常に重要です。
1. 販売店(自社サイト)とモールの定義
| 区分 |
定義 |
実店舗の例 |
ECサイトの例 |
| EC販売店 |
自社サイトで、一軒のお店として商品を販売する形態。 |
街の商店、ホームセンター(カインズ、コメリなど) |
モノタロウ、ASKUL、MISUMIなど |
| ECモール |
複数の店舗が出展しているショッピングモール型のサイト。場所貸しのイメージ。 |
イオンモール、ララポートなど |
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど |
2. 販売店とモールの主な違い
| 項目 |
EC販売店 |
ECモール |
| 集客 |
自社で行う必要がある。 |
モール自体の集客力を利用できる。 |
| 競合 |
サイト内での価格競争は発生しない(一つの商品に一つの価格)。 |
複数の店舗が同じ商品を扱うため、価格競争が激化しやすい。 |
| ランニングコスト |
比較的低い(通常取引における仕入れ・販売のみで、システム使用料など基本料金はかからないことが多い)。 |
高い(月々の基本使用料、売上に応じた手数料などがかかる)。 |
| 商品の扱い |
一つの商品に対し、一つの価格で販売される。仕入れ先は複数あり得る。 |
一つの商品を複数の店舗が異なる価格で販売できる。 |
ランニングコスト(例:モノタロウ vs 楽天)
価格競争の発生
3. 代表的なEC販売店と商品特性
| サイト名 |
主な商品の入り口(元々の強み) |
特徴 |
| モノタロウ |
工具、MRO(工場や現場で使用する間接資材) |
工具を探しに来た顧客が、文具なども併せて購入するケースがある。 |
| ASKUL |
文具(文具通販としてスタート) |
文具を探しに来た顧客が、FA機器や工具なども併せて購入するケースがある。 |
| MISUMI |
FA機器(ファクトリーオートメーション)、機械部品 |
元々は部品を組み合わせて納品するアセンブリー業者としてスタート。 |
💡 補足:商社との違い トラスコやアズワン(一部例外あり)は、モノタロウやアスクルなどの販売店へ商品を卸す商社であり、販売店とは流通構造上の立ち位置が異なります。販売店がエンドユーザーに最も近い末端です。
4. 代表的なECモールと特徴
| サイト名 |
自社出店の有無 |
特徴 |
| 楽天市場 |
ほぼ無し |
出店者が商品を出品する形式が基本。 |
| Amazon |
有り (Amazonプライム) |
Amazon自身が仕入れを行い販売する(プライム)商品が存在する。このため、Amazonと出店者との間で価格競争や値上げ交渉が発生しやすい。 |
| Yahoo!ショッピング |
一部有り (ZOZO、PayPayモールなど) |
楽天と近いイメージ。近年は事業縮小傾向にある。 |
モールを選択する理由
ランニングコストが高く価格競争が激化しやすいモールですが、出店を選ぶ主な理由は以下の通りです。
-
集客力の利用: 自社で多大なコストをかけて集客する必要がなく、モールが持つ既存の顧客層とトラフィックを利用できる。
-
早期の売上構築: 特に新規参入の場合、自社サイトで集客力を得るには時間がかかるため、モールに出店することで早期に販売チャネルを確立できる。
一方で、ブランドイメージやメッセージングに極度にこだわる企業は、モールも利用せず、自社サイトのみで展開し、SNSや口コミなどで集客を行う傾向があります。